1970年代にカイロで暮らした時、ちょっとした実験をしてみた。アラビア語の資料だけを使って、ユダヤ人、ユダヤ教、ユダヤ史、ユダヤ文化などについて、何を学ぶことができるか?資料の少なさに、私は唖然とした。基本的に、こういう主題について学ぶための最善の方法は、反セム的なトラクトの行間を読むことだった。
それ故、イェフディット・バルスキィの指導の下で、アメリカ・ユダヤ委員会が、新たなウェブサイト『ユダヤ人の起源』(Asl Al-Yahud)を始めたことを、今日うれしく読んだ。アラビア語圏のユダヤ人の歴史を強調しつつ、これらの主題をアラビア語で扱うのである。外部向け発表では、次のように説明している。
このウェブサイトは、ユダヤ人の生活暦の出来事、祝日、宗教実践についての情報を提供します。また、ユダヤ史の年表、視聴覚や画像の資料、ユーザーからの質問コーナーも含んでいます。寄せられた質問には、『ユダヤ人の起源』のスタッフが、ユーザーが母語で快適に交流できるよう、アラビア語でお答えいたします。内容は、イラクのユダヤ共同体の子孫であるエフライム・ガバイが独創的にアラビア語で作りました。このサイトは、視覚的に中東の意匠に沿ったものであり、世界中のアラビア語圏出身のムスリムとユダヤ人が分かち合う文化的実践に焦点を当てています。
[コメント]
(1) ムスリムの間でユダヤ人について非常に好奇心があるので、このウェブサイトが一定の読者を持つことを期待する。
(2) その可能性を達成するために、ウェブサイトはもっと多くの内容を必要とする。例えば、「歴史」タブは、たった三段落しか含んでいない。(2008年4月10日記)
2008年5月6日追記:ベン・グリオン大学のギデオン・M・クレッセル氏が、このテーマを研究したことがあると、私に書いてきた。「アラビア語圏の幾つかの大学でヘブライ語が教えられているのに、ユダヤ学の学科は見出されない。ついでに、アラブ・ムスリム世界ではどこでも、キリスト教の信条に関する研究プログラムもない」。