かつて、フィラデルフィアの中東フォーラム所長でイスラーム専門家のダニエル・パイプスと連絡を取ることは、簡単だったものだ。もはやそうではない。月曜の夜、500名以上の人々が、対テロ戦に関する彼の話を聞くために、ニュートンにあるミシュカン・テフィラのシナゴーグに集まった。熱狂的な出席者の一団が、講演の後でパイプスを取り囲み、30分間、身動きできないようにした。以前は、『季刊中東』という学術的なジャーナルで、幾分、名も知れずに働き、『エルサレム・ポスト』紙にコラムを書いていた男は、スターのようになってしまった。彼の見解は、ブッシュ政権内部の何人かも含めて、今やワシントンで真剣に受け留められている。所有するウェブサイトDanielPipes.orgは、今や月に10万ヒットを得ている。9.11以来、10倍である。
あのひどい日の前、パイプスは戦闘的イスラームの脅威について警告していた、たった一握りのアメリカ人の一人だった。新たな名声の一つの徴として、「偉そうな講釈者」のアレック・ボールドウィン、ナオミ・ウルフの高名な『やり手のボス』、ムスリム公共問題協議会のマーハー・ハズアウトと並んで、最近、ビル・マーの『政治的不公正さ』に出演した。
「私がしようとしているのは、見識を出すことです」と、講演の後で飲み物を飲みながら、パイプスは言う。例外的な穏健さで、ちょうど囁きを超えたかのように話しながら、彼は付け加える。「敵は戦闘的イスラームです。その政治目標は、戦闘的イスラームを弱体化し、穏健なイスラームを強化することであるべきです」。
対テロ戦の起訴に関して、できる場では穏健なイスラームを促進する一方で、国別のイスラーム闘士の根こそぎをしつつ、合衆国が長期的に関与すべきだ、とパイプスは言う。軍事行動は、アメリカが採用すべき多くの戦術の一つに過ぎないと付け加えつつ、北部同盟と合衆国が共働したアフガニスタンは、そのモデルである、と彼は言う。この計画の展望で、パイプスは、冷戦とは違わないシナリオを心に描いている。「違う衣装を着た冷戦闘士であることが、私は嬉しいのです」と、有名な父親のハーヴァード教授リチャード・パイプスという冷戦闘士に頷きながら、パイプスは言った。「冷戦の闘士達は正しかったのです」。(11月28日に"Slate"は、パイプスと父親宛の「説明者」にコラムを献げた。)
グローバルな見地の一部として、合衆国は欧州の同盟諸国の幾つかと共に、より強硬な路線を取るべきだと、パイプスは論じる。欧州連合は、テロリストに金をロンダリングするテロリズムと組織を根絶するための、均一な手続きを考案しなければならない、と言う。フランスでさえ、テロリストを助ける「当該組織を閉鎖することに、真剣にならなければなりません」と彼は言う。
対テロ戦は西洋とイスラーム全ての間の文化衝突を体現していると言う人々に、パイプスは同意していない。同様に、この戦争は小さなカルト的イスラーム倒錯とアメリカとの間の戦いだと主張する人々にも、同意していない。
「戦いは終わるでしょう」と彼は言う。「戦闘的イスラームが、ここも含めて世界中で敗北する時には」。