[注:トランスクリプトは明確さのために少し編集されている。]
フランス24:更なる洞察のため、今フィラデルフィアへ中継でつなぎ、中東フォーラム会長のダニエル・パイプスさんに話せます。今晩、ここ『フランス24』でご一緒くださり、どうもありがとうございます。フランス大統領のフランソワ・オランドが [ニースでの]この攻撃は「紛れもなくテロリストの本質」を持っていると言っています。しかし、これをテロリスト攻撃と呼ぶことは早過ぎませんか?
ダニエル・パイプス(以下DP):私は「テロリスト」という語から遠ざかることを、より好みます。何がテロリストで何がテロリストではないかを巡って、このような討論がありますが、それは幾分人工的な討論だと私は思います。テロリストか否かを、誰が気にするのですか?重要なことは、...動機です。これは世間に対して怒った、何らかの気の狂った奴だったのか?欲得ずくからの何らかの犯罪人なのか?あるいはこれは、見下すフランスに仕返しをしているジハード者なのか?それは重要な事柄ですし、知った全てのことは、これがフランスを見下すチュニジア出身の若いムスリムで、最も攻撃されやすく、最も象徴的な方法で―バスティーユの日の祝祭に撃ちたがっていたことを示唆します。
フランス24:ですが、それはテロリストの仕業かどうか、なぜフランスがもう一度ターゲットになってしまったのですか?
DP:フランスはターゲットだと思います。なぜならば、フランス特有ではない憤怒があるからです―それをベルギーで見ます。合衆国で見ます。多くの他の国々で見ます。ですが、フランスでは憤怒があります。これらの攻撃で判然としている憤怒です。イスラームが必要とし、ムスリムは保護される必要があるという感覚です。それをする方法は、フランス人を攻撃することです。スタッド・ドゥ・フランスで攻撃せよ、コーシェルのスーパーで攻撃せよ、週刊誌『チャーリー』で攻撃せよ、カフェで攻撃せよ、バスティーユの日に攻撃せよ。もし意見調査を見るならば、ムスリム、特に若者の意見分析を見るならば、凄い憤り、疎外感の凄い感覚がわかります。フランスでムスリムであることへの凄い怒りです。
フランス24:続くニースでの木曜日の流血惨事を語って、フランス大統領のフランソワ・オランドは、イラクとシリアのイスラーム国集団に対する国際的な闘いにおけるフランスの役割を強化するつもりだと言っていますが、その闘いは、これまでかなりの間、続いてきました。何がもっとなされ得るでしょうか?
DP:ISISまたはISILまたはダーイシュまたはイスラーム国が、シリアやイラクでまもなく崩壊するだろうと私は期待します。どこでも、リビアやナイジェリア、ソマリアで崩壊するのではありません。一つの案として崩壊はしません。カリフ制として崩壊するのではありません。
シリア・イラクで今存在する国と、フランスで起こっていることの間に、あまり関係はないと私は考えています。ISISを取り除いても、これらの問題はまだそこにあるでしょう。とても顕著であることに、ISISが入り込んだものは、単純に感化できることだということです―計画する必要がない、兵站やお金や武器を身につける必要がない―単純に「フランス人を殺しに行け」と言えるのです。そしてその後、従う何人かの人々がいるでしょう。
ところで、非ムスリムのフランス人を攻撃するフランス系ムスリムへの呼び掛けは、一年以上前に出て行き、その応答がわかります。巨大なものではなく、定義的に強力なもので、それが継続するだろうと考えるあらゆる理由があります。これらの攻撃のあまりにも多くが、銃を使っていないことにも気づかれるかもしれません。ナイフ、爆弾、車、トラック、容易に調節され得ない道具を使うのです。
フランス24:中東諸国とムスリム聖職者は、この金曜日にこの攻撃を非難することにおいて団結しました。そこでの指導者達は、別の過激なイスラーム主義者の攻撃かもしれないものから熱心に距離を置きたがっているようです。なぜだとお考えですか?
DP:そうですね、もしイスラーム主義運動の非主流派でないならば、非ムスリムに対する暴力に従事しているか、あるいは場合によってはムスリムでさえ、二週間前のメディナでのように、これはぎょっとさせると思います。言い換えますと、もしイスラーム主義者の議題項目を前進させようとしているならば、学校や法廷や議会を通してそうしたいならば、誰をも傷つけない穏当な手段を取りなさい。ハラール・キッチンや多重婚やその種を受け入れさせたいですね。この種の野蛮な襲撃、数ダースの人々の殺害は、全く役立ちません。それは怒りをもたげるのです。
実に、西洋全体の想像を魅了し、ある種の病的な魅惑を作り出すこのような事件は、イスラーム主義者の大義にとって、信じられないほど害があると私は申します。それは、イスラーム主義者が必要とする最後のものです。毎度、このような主要な残虐行為があります。仲間の西洋人は、「これはイスラームとは何ら関係がない、潜在性を満たせない貧しい人々に関してだ」と言うことから、「これはイスラーム主義についてだ、これは、それに同意しない皆を攻撃する過激な型のイスラームについてだ」と言うことへと行きます。それ故に、イスラーム主義運動にとって凄い仕打ちをしているのです。
フランス24:よろしいです、フィラデルフィアの中東フォーラム会長のダニエル・パイプスさん、ご洞察をどうもありがとうございます。どうもありがとうございました。