バラック・オバマが2013年8月にシリアのバシャール・アル・アサドに発した有名な「レッド・ライン」警告は、間違いなく、彼の大統領職の明らかな外交政策の瞬間だった。戦争犯罪あるいは代価を払うことを思い留まるための、ならず者の指導者への明白な警告である。
アサドが越えたこのレッド・ラインが、アサド体制がその化学仲介者に手渡すであろうとロシアが支援した約束と共に、一年後にぼんやりと終わった時、応答は二股に分かれた。大統領とその同盟は、それによって、もっともらしい脅威が流血を見ずに、行動において主要な改善へと導いたとして、これを外交の記念碑だと歓迎した。反対に、定評のある嘘つきによって無意味な保証を差し出された時、批評者はオバマを、崩壊した脅威で荒れ狂った張り子の虎として提示した。
2013年8月にシリア体制に神経ガスで殺されたシリア人の遺体 |
二年間、評決はなかった。二つの側は、終結なしに主張を通し続けた。だが今では、閉鎖が手近にある。
それは、アサド体制が樽爆弾で塩素を用いており、それにリシン、サリン、VXの形跡の発見という、今では多数の報告があるからである。応答として、合衆国政府は、これらの見るも恐ろしい展開について、穏健な譴責を発する他、何もしてこなかったし、無気力な国連に向かい、ロシア人やイラン人でさえ、その問題を処分するであろうという見込みのない希望に希望を託す。今回はレッド・ラインに関する言及はなく、ただ誰も2013年を覚えていないであろう望みだけだった。
だが、我々は実に覚えているし、結論を引き出しているのだ。オバマがたった張り子の虎であることは、今や争う余地なく明確である。シリアの独裁制に対する彼の脅しは、何も意味せず、蒸発し、身悶えと無駄話に置き換えられた。
この応答は、本質的に重要であるばかりでなく、他の敵対的な国家、とりわけ、ロシア、中国、特にイランにとっても含みを持つ。もしオバマがあえてダマスカスで弱虫を扱わないならば、どのように彼は、モスクワ、北京、テヘランのもっと恐るべき敵と、そうすることを敢行するかもしれないだろうか?
この理由のために、アサドの化学兵器の件は、アメリカの外交政策にとって重要である。多くの観察者のように、この大統領が去り、アメリカ合衆国がその言葉によって立ち、史的評判に沿い、自身を守るための新たなスタートの機会を持つまでに、私は何ヶ月も(まだあと20ヶ月)数える。