ダニエル・パイプス:数分で、戦略地政学的な三つの要点をご理解いただければと思います。そして、飛行機の予定があるので失礼しなければならないことを、前もってお詫びいたします。
第一の点は、これは以前言われてきたことですが、―繰り返したいと思います―イランはISISよりも遙かにより大きな脅威で、ISISに対してイラン人と参加することにおいて、我々が異常な過ちを犯しているということです。一点指摘する必要があります。ISISは恐らく一日に石油歳入で500万ドルと15000の軍隊を有しているだろうこと、確かにダイナミズムがありますが、イランは7500万人の人々と数億ドル、数十億ドルの石油歳入と十万もの陸軍と、もちろん、テロのネットワークの強力な国家です。そして、彼らは武器を築き上げていますか?皆様に予測いたしますが、あまりにも突然現れたように見えたISISは、突然消滅もするでしょう。なぜならば、あまりにも多くの敵を持っているからです。あまりにも拡張し過ぎています。同時にあまりにも多くのことをしようとしています。遠からぬうちに崩壊することでしょうし、国として消滅することでしょう。一方イランは、より長く続く自主独立体であるでしょう。
ISIS、イスラーム国、ISIL、ダーイシュ、お望みのように呼ぶものの本当の重要性は、バグダッドとトルコの間に今存在する、相当の大きさのこの国にあるのではなく、むしろ、カリフ制という考えの復興にあるのだと予測もさせてください。権力を伴う最後の実行力あるカリフは、940年代でした-940年代で、1940年代ではありませんよ-大昔でした。そうです、カリフ制という機構は1924年まで継続しましたが、無意味でした。ただタイトルだけだったのです。実際のカリフ制、実行力あるカリフ制は、千年紀前に消滅し、その後突然、自分をカリフ制のイブラヒムと呼ぶこの男が、2014年6月29日に復興しました。そしてこれは、ムスリム世界を通して興奮という身震いを送ってきました。そして、一千年紀の間去ってしまった後で、これが適切なカリフ制の概念を再び作り出しました。そして、これが重要なのです。
この同じ基準を取り上げて、カリフ制として受け入れられるよう要求している他の集団を充分想像できます。私はさらに想像できます。トルコ、サウジアラビアのような国家、そしてイランでさえ、それ自身のシーア派の方法でカリフ制の要求を取り上げ、それで、これが過去にあったよりも更にもっと過激な方向にイスラーム主義政治を転換し、それ故に、非常に否定的な展開なのですが、そういう考えなのです。そして、合衆国政府がISISに対してイランと協働するべきだという概念は、狂気の沙汰、ただ単純に狂気です。
第二の点であるイランは、究極の敵です。イランは、もちろん今日の究極の敵です。イラン指導者層による核兵器の獲得は、中東を変えるのみならず、世界を変えるでしょう。他の暴君は核兵器を持ったものでした。スターリンと毛(沢東)のことを考えてください-しかし、終末の日について考えていることで、暴君のこの集団に関しては異なったものがあります。彼らは終末的な考えです。核兵器を配備したならば、復活の日へと導いている引き続く他の出来事が救世主、ダッジャールの日々を進めるだろうという識見を持っています。そうすれば、彼らはよりずっと危険です。
今、実際に核兵器を配備するかどうかに関して、何時間も延長する素晴らしいセミナーを持てるかもしれませんが、私は見出したくありませんし、皆様方もそうだろうと疑っております。彼らがそうすることを止められることは、絶対に緊急ですが、容易ではないことでしょう。なぜならば、イラン指導者層は、北朝鮮の指導者層のように、絶対に核兵器を得ることを決定していて、必要であるどんな代価も支払うだろうからです。北朝鮮では、集団飢餓でした。イランでは、経済の剥奪と他の諸問題でしょうが、彼らは先へ行くつもりですし、発生してきたコンピュータ・ウイルスや目標を定めた暗殺や爆破が確かに事を遅くする反面、それを止められません。軍の行使を通して、イランの核装備を止めるのが唯一の方法です。
ですから、私が考えることは全てとても明確ですが、それを超えて行くつもりですし、幸せな日が来る時、イランのイスラーム革命は打倒されている、と言うつもりです。それは本当である見通しです。我々は2009年6月に、それへ向けて急造するのを見ましたし、抑圧されましたが、取り除かれませんでした。そして、更なる試みがあるでしょう。近いうちに、イスラーム共和国が崩壊するだろうことは確かです。それが起こる時、示唆いたしますが、このイデオロギー国家にうんざりしているイランの人々は、全く友好的になるでしょう。圧倒的多数のイラン人は政府を憎悪し、政府が提供しているそのイスラームを憎悪していることを、標柱は示しています。その日が来る時、イラン人は良き友人だろうと私は思います。
対照的に、中東における我々の大問題はトルコだろうと、私は思います。トルコは、約8000万人の人々の非常に相当な国家でもあり、重要な戦略的位置にありますが、本当の経済、教育された人口を有します。トルコはイスラーム主義に接近してきました。そうですね、トルコ指導者層はイスラーム主義に接近してきました。イラン人よりも遙かにもっと知的な方法で。ホメイニーを「イスラーム主義 1.0.」、エルドアンを「イスラーム主義 2.0.」と私は呼び、ホメイニーは革命と暴力等を使いました。そして、彼の後継者は専ら支配しますが、エルドアン、レジェップ・タイイップ・エルドアン、トルコ政治の優勢な人物は13年で、9つの選挙だと思いますが、勝利してきた、多様な種の、議会の、国民投票の、住み込みの、遙かにもっと賢い人物ですが、経済の大きさを三倍にしてきましたし、国内で巨大な重要性と人気のある人物です。彼は非常に強力な基盤を持っています。これは、専制政治というものではありません。今では当然のことですが、時を経て、彼はますます権威主義的、独裁的、不愉快、決定的になってきていますが、民主的に彼の地で勝利してきましたし、続くでしょうし、彼の体制はホメイニーのよりもずっと長く続くでしょう。そして、私は将来の10-20年を見ることを信じています。我々の大問題であるもの、今日そのために準備すべきものは、イランではなく、トルコでしょう。
そして、最後の点は、パレスチナ人についてです。ユダヤ系イスラエル人に対する暴力における急激な高まりを、我々は見てきました。先の二年よりも、先月に、もっと多くの暴力がありました。このために多くの説明があります。ケリーの和平交渉の崩壊、この夏のハマスの対イスラエル戦争、いわゆる「パレスチナ」の欧州の受諾、しかし私が思うに、ここで見られる継続中のもっと深い点があります。それは、凡そ一世紀前の1920年以来ですが、エルサレムのムフティ制にハジ・アミン・アル=フサイニを英国高等弁務官が指名したことで、パレスチナ指導者層の怠慢な見解が、この94年間の拒絶主義だったのです。それは、すなわち、シオニストあるいはイスラエル人は何でも受諾せず、事柄全体の絶対拒絶です。フサイニはヒトラーに実際に影響を与えた、このような拒絶主義者でした。最終解決に向けて、最近の調査が示しています。ナチ解決は、ユダヤ人を押し出すことでしたが、ユダヤ人の潜在的な受容者としてのパレスチナに、フサイニは否と言いました。彼らを殺せ、そうすれば、これはナチ指導者層に衝撃を与えたものです。
それで、それはユダヤ人、シオニスト、イスラエルに対するパレスチナ人の態度の毒々しさなのです。それは、今日でほぼ十年前に死ぬまで、ヤーセル・アラファトに反映されましたし、それ以来、マフムード・アッバースに反映されています。それは不履行の見解です。さて、必要な時、弱い時、アラファトやアッバースのようなパレスチナ指導者は順応してきました。オスロ合意は一つの良い例でしょうが、必要である時、彼らはこの拒絶主義へ戻っていきますし、最近は特に、外部世界がパレスチナ自治政府とハマスの両方に言うからです。「何をしようとも、我々は報いるでしょう。ガザからのミサイルを通して、あるいは、エルサレムでの車ジハードで、ユダヤ系イスラエル人を殺せるし、対価を支払わないでしょう。お金をあげます、武器を与えます、認知を与えます。状況というものを心配する必要はありません」。
イスラエルやイスラエル人に対して何をしてもよろしい、というこのメッセージを得た結果として、パレスチナ人は幸せに拒絶主義の怠慢な見解に戻ってきましたし、それは、我々が今日見ているものです。それで、スウェーデンに、オバマ政権に、国連その他の責めはこれだと、私は思います。パレスチナ人に言っているのは、我々西洋なのです。「行け。支払われる代価はない。幾らかマイナーな方法でお前達に忠告するかもしれないが、それにも拘わらず、このためにお前達に報いるだろう」。外部世界の我々がパレスチナ人に前進せよと言う限り、彼らは行くでしょう。一世紀近く、彼らがしてきたことをするでしょう。
ジェイミーが来るのが見えます。止めた方がいいですね。ご来場ありがとうございました。