イスラエルとハマスは、50日続いている破壊的な戦争に苦しんできた。中東フォーラム会長のダニエル・パイプスが、戦争原因、政党見解、火曜日(訳者注:2014年8月26日)の夜の停戦前の見通しを論じる。昨日追加された二、三文で、パイプスは停戦を査定する。
イスタンブールで出版された『サロム』の第一面 |
イスラエル・ハマス戦闘のタイミングを、どのように解釈されますか?
多くの要因が、その紛争を始めるハマスの決心に貢献したかもしれません。それについては、ただ憶測できるだけですけれども。中でも、ファタハとの「統一政府」、三人の十代のイスラエル人の殺害、ガザの経済問題、ハマスに対するエジプト政府の敵意、イラクでのISISの勝利、イランとのP5+1談話です。
合衆国によって斡旋された和平プロセスは停止され、事実上、棚上げされました。パレスチナとイスラエルの両方において、相互妥協を通して永久の和平を樹立する代わりに、現状から利益を得る特定の政治集団があるという、広まった意見に同意されますか?
政治見解に関わらず、戦闘が続くのを欲しているユダヤ系イスラエル人を私は一人も知りません。アラブ・ムスリム側では、ユダヤ人国家としてイスラエルを受諾する準備がある人々の間で、分裂が見出されます。紛争を解決する人々対ユダヤ人国家を除去する決心をしている人々です。前者がアラブ・ムスリム人口の20パーセントを形成すると、私は推測しています。
イスラエルに対するハマスの攻撃を防御するのにファタハが失敗したために、アッバース政府のパレスチナ政治代表-特にガザにおける-は、問題があるとイスラエル官僚に見なされてきました。しかし、統一政府の知らせも歓迎されませんでした。なぜですか?
イスラエル人は、アッバースとファタハとパレスチナ自治政府に深く懐疑的です。それで、ハマスとの統一は、パレスチナ自治政府がハマスに向かっていることを意味し、その逆ではないと思い込むのです。私はその疑念を共有します。
人口動態的なイスラエルの現実、つまり政治地盤を獲得している超宗教右派の人数増大は、どのように外交政策に影響がありますか?
ハレディームは彼ら自身にとっての当座の関心の諸問題-学校のお金、福祉、コーシェル問題、性別分離、安息日の遵守-に焦点を当てる傾向にあります。そして、外交政策にほとんど留意を払いません。これは一日を変えるかもしれませんが、それまでの間、彼らの国内課題を主に促進するために、外交政策が興味深いのです。
ハレディームはイスラエルの外交に興味がない傾向だ。 |
イスラエルにおける和平プロセスの代替ルートに関して、リベラル左派と過激な右派の間の政治的分極化についてお話してもよいでしょうか?つまり、二国家解決策/一国家解決策/さらなる入植地ですが。
外交政策と安全保障問題に関して、イスラエルのユダヤ系市民は自身を、62パーセントが右派、22パーセントが中道、12パーセントが左派だとカウントしていることを、最近の世論調査が示しています。この右派の左派に対する5対1の利点は、いずれにせよ目下、分極化が全くないことを示唆します。国は目標(ガザの非軍事化)に同意し、方法論についてのみ論じます。
一方で、イスラエルの自衛権があります。他方、ガザで上昇中の死亡者数のニュース報道が、イスラエルの作戦の道義的正当化を傷つけます。このディレンマを克服する方法がありますか?
ハマスが軍事兵器類を保護するためにパレスチナ民間人を使い続ける限り(反対のことをするイスラエルとは区別されるので)、ガザの民間人は負傷者であり続けるでしょう。これを、ハマスが紛争を始めたのみならず、終結を拒絶もするという事実と組み合わせると、(イスラエルに何度も何度もロケットを発射することによって)ハマスは攻撃者だと指摘します。
合衆国と欧州における反イスラエル抗議を、どのように解釈されますか?抗議者達は、主にイスラエルの政策を非難することを目指しているのか、それとも、増大中の反セム主義に関連しているのですか?あるいは、これらの二つは相互に混じり合っているとおっしゃるかもしれませんが。
時が経つにつれて、西側の反イスラエル・デモは、ますます反セム的要素を示しています。しかしながら、ムスリム多数派諸国では、そのようなデモが比較的欠けていることに気づいてください。大きな重要性のある事実です。
7月25日のニューヨーク市での反イスラエル・デモ |
あまり遠からぬ将来に、適切な停戦が可能だと思われますか?もしそうならば、トルコにとって、仲介者として行動する場がありますか?
ハマスが充分持った時(つまり、継続された戦闘の利益を痛みが超えると指導者達が決定する時)、停戦は実現するでしょう。
多くの短命の停戦の試みが、合衆国、エジプト、カタール、トルコのようなさまざまな国々に破られました。なぜ失敗したのですか?より広大な和平取引を強制する戦略だったのですか?それは、仲介者だったのか何だったのですか?
異なった理由で失敗しました。カタール政府は、ハマスにエジプトの申し出を受諾しないよう、どうも圧力をかけたようです。イスラエル人は、トルコとカタールの申し出を、ハマスに対して遙かに好意的なものと見ました。
境界防衛作戦におけるイスラエルの究極目標は何でしたか?作戦は完了しましたか?どのように?
イスラエルの目標は、ガザから来る脅威を終わらせることです。これは、一時的にさえ、まだ達成されていません。イスラエルでは、これについてすごく不満があります。
当該地域では、シリアとイラクが示す事例のように、ジハード者集団が、失敗国家装置があるところで政治真空を満たす傾向にあります。もしイスラエルがハマスと完全に衝突するなら、誰がガザで政治権力を引き継ぐのでしょうか?ファタハですか?イスラーム・ジハードですか?イスラーム国支援が定着するためのリスクがありますか?
ハマスそのものは、ガザで奪取が既に起こったように、ジハード集団です。もしさらにもっと過激な(パレスチナのイスラーム・ジハードのような)ISIS風の集団がそれに置き換わるならば、ほとんど変化はなかったでしょう。私がより好む解決?それは、1949年から1967年までしたように、エジプト政府が再びガザを支配することです。シッシ政府は熱心にガザのためにほとんど責任を取ろうとしないものの、エジプトを攻撃するためにそこで基盤をムスリム同胞団が持ったことを懸念してもいます。それで、この手段を取るために、まさに合意するかもしれません。
最近の停戦について、何かおっしゃりたいことは?
今日8月26日に発効された停戦は、この合意がイスラエルの有利さを体現することを示唆しつつ、イスラエルは受諾したがハマスが拒絶した7月15日の停戦と非常に似ています。しかし、これが50日で12回目の停戦であることを考慮すれば、特にカタール政府がハマスに止めることを望んでいないという報道があったように、それが持ちこたえられないのももっともでしょう。支払いをするので、ガザで影響を持ちます。要するに、良いニュースですが、別の失望の用意をしていなければなりません。