米国文化情報局の研究所長であるポラックは、アラビア語を話す人々がどのように政治発展を見なしているかという新たな分野の調査を独力で開拓した。見事に表現された彼の研究は、まず世論の重要性を分析し、その後、クウェート危機とアラブ・イスラエル紛争という二つの特定の問題に集中している。
ポラックはアラブ世論を巡る西洋の判断は、二つの極端な陣営に分類されると考えている。一方は、民主制度の欠如において政治的に無関係だとして、世論を退ける。他方は、ひっきりなしに政府を転覆させ大衆革命を起こそうとする「アラブ通り」だと世論を見なすものだ。「大衆の態度と政策結果の間にしばしば交流がある」と記しつつ、著者は中間の解釈を論ずる。アラブ諸国は通常、一般大衆の見解に密接に関心を払うと彼は考えている。世論調査に助言を求めさえする。
ポラックは、クウェート危機の間、政府は基本的に世論に従ったことを示すために、端末データ(残念なことに、部外秘情報で、その研究のどこにも出典が明記されていない)を利用している。事実、ヨルダンとイエメンの欠如が反イラク連合に役立ったと論じている。というのは、さもなければ二つの政府が転覆されてしまったからである。アラブ・イスラエル交渉に関しては、アラブ大衆は「原則において肯定的で、特定の問題には懐疑的だが、強く身にしみる時以外は、ただ逐次的に大変興味がある」。米国政策に注意を向けると、イスラエルに対するアンマンの地位のための理解、しかし湾岸諸国の変化のための多くの圧力を、彼は示唆している。